私は社会人として働きながら、ドイツチャンピオンのトップスプリンターであるアンドレ・グライペル選手に憧れて、スプリント力を強化するためにトレーニングを行ったり、フレームなど機材を工夫するなどして努力していました。
ここで、時間の限られている社会人でもできる、効率的にスプリント力を高めるためのポイントを3つご紹介します。
それらはいずれも、スプリントアップのための色々な工夫や努力の中で、形になって効果が見えた秘伝のコツです。
エアロ効果って何?スプリントアップへの重要性とは!?
ロードバイクのスプリントについて考えた場合に、非常に重要になり、かつ速度が高まることで大きくなっていくのが空気抵抗となります。
つまり、空気抵抗は、速度に比例または、速度の2乗に比例して大きくなりますので、スプリントをアップするには、
空気抵抗を減らす=エアロ効果を高める
ことが大切です。
その為に、例え自身がトレーニングによって2倍の速さで走れる力を発揮できるようになったとしても、2倍の速さでは空気抵抗も2~4倍になるため、風の抵抗を受けやすい姿勢でスプリントを行ってしまうと、せっかく作り出した推進力を自らの体で失わせることとなってしまいます。
その為に「いかにして空気抵抗を減らしていくか」がスプリント力を高める為には重要になり、空気抵抗を少なくする為に、姿勢やロードバイクのホイールやフレームとヘルメットなど、身につけるもの全てでエアロ効果の向上を目指していくことができます。
1.姿勢による空気抵抗の減少
空気抵抗をもっとも少なくできる乗車姿勢はエアロフォームと呼ばれる姿勢で、体をコンパクトにして前面からの投影面積を少なくすることで、風に当たる部分を少なくし、風の影響を最小限に抑えることができます。
要点はたったの3つです。
エアロフォームで重要なポイント
・体をできるだけ前傾させ、ロードバイクのトップチューブと平行にするイメージで体を倒す
・顔は前方方向をしっかりと捉えつつ頭を下げる
・肘を開かないように気をつけてしっかりと締める
2.機材による空気抵抗の減少
ここまでは乗り手の空気抵抗の減少について紹介してきましたが、次はロードバイクをはじめとした機材面でのスプリント力アップについて考えていきます。
この機材面はプロの場合は特定の会社からの機材提供により自由度は限られてしまいますが、社会人をはじめとしたホビーライダーにとっては非常に興味が大きく、最も自由度の高い部分であり楽しんでいきたい部分ではないかと思います。
まず、フレームに関しては現在非常に選択肢が多くなってきたものとして、エアロフレームの存在は無視することができないほど各メーカーが競争している分野で日々進化を続けています。
メーカーによっては自社で風洞実験環境を整えているメーカーもあり、本気度がわかります。
具体的には、ビアンキのortreや、スペシャライズドのvenge、リドレーのnoah、treakのmadoneなどが非常に有名で、レース会場でも多く見ることができるフレームです。
3.空気抵抗を減らすためのスプリントテクニック
スプリント時は大きな力を発揮する為に、体がブレてしまうことが多いと思います。
ただ、ブレは空気抵抗を増やしてしまったり、力を確実に伝えるための障害となりますので、上体がブレないように意識した上で、バイクも大げさに振るのではなく、あくまで自然な動きに留めることがスプリント時には必要な要素となります。
ここまで、ロードバイクのスプリントをアップするために、空気抵抗を低くすための姿勢や機材選び、スプリントテクニックの3つの要素をご紹介しました。
いずれも社会人でもできる、スプリントを上達するのに大切な要素となりますので、意識してトレーニングや環境づくりに励んでいただければと思います。